個人再生手続きで、マイカーってどうなっちゃうんでしょうか？
高級車・新車なら手放せばそのお金で返済が出来るわけですが、新車で買ってもう何年も経っている車やついこないだ中古車で買った車など、資産価値としてどうなのかが微妙な車もあると思います。
それと自動車ローンを組んでる場合はどうなるのか。
私の場合はどのように対処したのかを実例を交えてお伝えします。
- 自動車を「所有している」の定義
- 所有形態
- あなたが所有する車の価値はいくら？
- あなたの車の査定価格の調べ方
- 買ったお店に相談する
- まとめ（車を手放したくない時に出来る限りやれること）
その車、本当にあなたの車ですか？
車検証をもう一度よく確認してください。
「自由に乗り回せる車がある＝その車はあなたの車」ではありません。
車検証に記載されている所有者がその車の所有者であり、あなたは使用者または使用者の一人でしかありません。
つまり、「車検証の所有者欄にあなたの名前があるか・ないか」が判断項目です。
載っていなければ、そもそも「自動車を所有している」ことにはならず、申告の必要はありません。
車の所有方法はさまざまあります。
パターンとして多いのは以下の3つだと思います。
1，自分の預貯金を使い、一括または分割で購入する（自分が所有者）
2，自動車ローンで購入する（自分が所有者の場合と信販会社が所有者の場合がある）
3，カーリースを利用する（リース会社が所有者）
1，自分の預貯金を使い、一括または分割で購入する（自分が所有者）
純粋にその車の査定価格により判断されます。
20万円以上の査定価格が出た場合、精算価値に加えられる可能性が大きいです。
逆に20万円以下の査定価格が出た場合、精算価値はナイとみなされる傾向にあります。
2，自動車ローンで購入する（自分が所有者の場合とローンを組んだ会社が所有者の場合がある）
銀行・信金などから購入に必要な金額を借入し販売店に一括で支払うパターンです。
この場合、所有者はあなたが一括支払いで販売店から購入しているので所有者は自分になります。
（私はこの買い方でした）
もうひとつは販売店から紹介される信販会社などを使って購入する場合があります。
これは利用したことないのでわかりませんが、支払いが終わるまでの間、
車検証には所有者が信販会社で使用者が自分となるケースが多いと聞きます。
3，カーリースを利用する（リース会社が所有者）
これも利用したことがないので不明ですが、リース会社が所有者となると思われます。
何年か乗ったら買取か継続か選べる場合が多いと思いますので、その時に買取を選べば
所有者は自分になるのかもしれません。
清算価値の査定価格は20万円が目安
弁護士さんからの説明だと、清算価値として考えるかあるいは価値がないものと考えるかの目安ラインは査定価格20万円だそうです。
「1万円でも超えたら清算価値とみなす」ということではなく、あなたの生活にどれくらい車が必要なのかなども加味して裁判所が判断すると聞きました。
査定価格20万円以下の車両
精算価値としてみなされないためそのまま自分の所有物として持ち続けることができます。
ただこれには「生活に本当に必要かどうか」というところを見られました。
私の場合、車がないと少々不便な街に住んでいたこともあって、その辺りは説明しました。
地方にお住まいで通勤や買い物に車が不可欠という場合や、病弱の家族がいる、祖父母の送迎など正当な理由が必要になってくると思います。
これらの理由があれば査定価格が20万以上の車両であっても清算価値とはみなされない可能性もゼロではないと思います。
査定価格が20万円以上の車両
いくら生活に必要なモノだと主張しても、査定価格が高額であればあるほど「価値がある車」とみなされますので、そうなると手放さざるをえないでしょう。
私が弁護士さんから受けた説明です。
例えば所有車の査定価格が200万だったとした場合、
「200万で売って、150万は精算に回します」
「残りの50万は生活に必要な車の購入に充てさせてほしい」
このように裁判所に相談することになるだろうねとおっしゃってました。
あなたの車の査定価格の調べ方
中古車販売サイト（Goo・カーセンサー）で自分の車の販売価格を調べる
まずはここで情報収集しましょう。
年式・ボディカラー・走行距離・オプションなど極力自分の車と同等の販売車両を探しましょう。
販売価格の70%前後が想定される査定価格です。
もしこの段階で20万を超えないとわかれば少し安心です。
大手中古車買取店では査定証明書は発行されない
大手中古車販売店を利用したことがある方は想像がつくと思いますが、査定に出すとほぼその場での即決が求められます。
なぜならば、中古車の市場価格（＝人気）は日々変動するため「この金額で買い取ります」を約束できるのが「今この瞬間」ということなんですね。
１週間後に今提示している査定価格で買い取れるとは約束できないわけです（よくて2−3日後までの補償だと思います）
こういう世界なので、「査定価格証明書」というような類の物は間違いなく出してくれません。
20万円に満たないならWEB一括査定サイトの活用もアリ
弁護士さんから、
「自分の車の査定額ではなくても同じ車・年式・走行距離で調べた平均的な買取額で提出でもOK」
「調べた結果、あなたの車が20万円以上の査定だったら別の手が必要だ」
「手放さないためにはとにかく20万円以下の査定額の証明が必要」
と言われました。
間違いなく20万円の価値はないと思える車にお乗りの場合なら、あえて大手買取店の査定に申し込んで、査定結果メールを証明書として提出する手もあると思います。
私の所有していた車はこんな属性の車でした。
・新車当時の販売価格が500万円
・中古車情報を調べると60万円〜100万円で販売されている
・ということは私の車の査定価格はおそらく40万〜60万円前後ではないかと想定される
購入したお店の担当者に相談する
私の場合、事情を話して販売店の担当者に相談しました。
結果的にこれが一番の解決策でした。
私の車は48万円の査定価格でしたが、これをなんとか20万円以下ということを証明する書類がほしいと相談したのです。
個人再生手続きというちょっと特殊な事情ですから、ここはそのまま話さずとも「ちょっと複雑な事情でウチの車の査定額を知りたいんです」と伝えれば相談に乗ってくれるはずです。
査定額をどのように証明するか
手書きでもなんでもいいので、社判（販売店印）の押された書類であれば信用度がグッとUPします。
私の場合、担当者の名刺の裏に以下を手書きしてもらい、最後に販売店の社判を押印してもらいました。
・査定日
・私の名前
・車種/年式/ボディカラー
・査定金額
・販売店の社印
これがバッチリな査定価格証明書になり、無事手放さずに済んだのです。
○名義変更
一番手っ取り早いのは、手続きをする前に名義変更することです。
家族に事情を話しているなら家族の誰かの名義に変える。
家族にナイショですすめているのなら、信頼のおける友人に名義を変える。
こうすることで簡単に回避することはできます。
「車を持っていない人」になれます。
ただし、これができるのは自動車ローンの支払いが終わっている場合に限ります。
自動車ローンが残っている状態で個人再生手続きをすれば、当然ながら自動車ローンを組んだ相手（銀行・信金・信販会社）が債権者に加わってきます。
それなのに「車を所有してない」となると、悪質な「財産隠し」を疑われます。
当然、あなたの力になろうとしている弁護士さんへの印象もよくありません。
であれば、私のように所有している事実があるまま、弁護士さんのアドバイスをもとに出来うる限りのアクションで動きましょう。
裁判所も鬼じゃないですから、事情によっては査定額に関係なく車の所有を認めるかもしれませんし。
もちろん弁護士さんもあなたにとって最善なことを考えてくれます。
大切なのは更生しようとしている姿勢です。
私のこんな経験がお役に立てばうれしいです。
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